去勢手術から帰ってきたら、家族に「どこの子や」と怒られた話
いや、あんたら、さっきまで一緒に暮らしてたやろ。
子猫のオス2匹を、去勢手術に連れて行った。1泊2日。うちみたいに頭数が多いと、こういうのも計画的にやらんと回らへん。
で、2匹を連れて帰ってきた。ケージから出した瞬間、留守番してた家族――犬猫ぜんいん――が集まってきて、
「シャーッ」
「フーッ」
「……こいつ、くさい。どこの子や」
いや、昨日までここにおったやん。あんたらの弟やん。
これ、毎回そう。病院に連れて行った子が帰ってくると、他の子らが「知らんにおいの侵入者」あつかいする。病院と、消毒液と、知らん動物のにおいがついてるだけで、もう別猫。
手術で痛い思いして、心細い夜を一匹で過ごして、やっと帰ってきたのに、家に入った瞬間に総攻撃。2匹とも、めっちゃ体を小さくして固まってた。
――あんたらかて、自分が病院に行った日は、同じことされてたんやで。もう忘れたん?
数日たてば、また元どおり、団子になって寝る。それはわかってる。でも、帰ってきた日のあの「よそ者」あつかいは、毎回見てて切ない。
今日思ったこと。 においが変わっただけで、昨日までの仲間が「知らんやつ」になる。人間も、ちょっとそういうとこあるかもしれん。しばらく顔を合わせへんかっただけで、なんとなく距離ができたりする。
2匹には、そっと言うといた。「かなしかったやろ。大丈夫、明日には忘れとるから。仲良くしーや」