處事、讓一步爲高。退步、即進步的張本。 「事を処するには、一分を退歩するを高しと為す。歩を退くるは、即ち歩を進むるの張本なり。」
ひめか:つまり、ものごとは一歩引いて構えるくらいがちょうどいい。その一歩が、次に進むための助走になるってこと。競争で前のめりになりすぎる時に思い出したい言葉だよね。
『菜根譚(さいこんたん)』は、明代の末(16〜17世紀)に洪自誠(こう じせい)が書いた随筆集。儒教・仏教・道教の教えをまぜて、世の中との付き合い方、引き際、人への接し方を短い言葉で説く。松下幸之助をはじめ、日本の経営者に長く愛読されてきた処世訓の古典。
中国古典|20件
處事、讓一步爲高。退步、即進步的張本。 「事を処するには、一分を退歩するを高しと為す。歩を退くるは、即ち歩を進むるの張本なり。」
ひめか:つまり、ものごとは一歩引いて構えるくらいがちょうどいい。その一歩が、次に進むための助走になるってこと。競争で前のめりになりすぎる時に思い出したい言葉だよね。
小處不滲漏、暗中不欺隱、末路不怠荒。纔是個眞正英雄。 「小処に滲漏せず、暗中に欺隠せず、末路に怠荒せず。纔かに是れ個の真正の英雄なり。」
ひめか:つまり、細かいところで手を抜かない、誰も見てないところでズルをしない、終わりかけでも気を緩めない。この3つができる人が本物だよってこと。地味だけど、いちばん信用される部分だよね。
不責人小過、不發人陰私、不念人舊惡。三者可以養德、亦可以遠害。 「人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず。三者は以て徳を養うべく、亦以て害に遠ざかるべし。」
ひめか:つまり、人の小さなミスをいちいち責めない、隠しごとを暴かない、昔の失敗を蒸し返さない。これができると自分の人格も育つし、いらないトラブルも避けられるってこと。人間関係で消耗しがちな人にこそ効くよね。
立身、不高一步立、如塵裡振衣、泥中濯足。如何超達。 「立身、一歩を高くして立たざれば、塵裡に衣を振り、泥中に足を濯うが如し。如何ぞ超達せん。」
ひめか:つまり、身の置き方を一段高くしておかないと、ホコリの中で服をはたき、泥の中で足を洗うようなもの。どうやってもきれいにならないってこと。誰と付き合うか、どんな環境に身を置くかで、その後が変わるんだよね。
憂勤是美德、太苦則無以適性怡情。 「憂勤は是れ美徳なり、太だ苦しめば則ち以て性に適い情を怡ばしむる無し。」
ひめか:つまり、真面目に働くのはいいことだけど、自分を追い込みすぎると心が動かなくなる。頑張りにも「ちょうどいい」があるってこと。頑張りすぎな人に読んでほしいやつだよね。
事窮勢蹙之人、當原其初心。功成行滿之士、要觀其末路。 「事窮まり勢蹙るの人は、当に其の初心を原ぬべし。功成り行満つるの士は、要ず其の末路を観るべし。」
ひめか:つまり、行き詰まった時は「なんで始めたんだっけ」と初心に戻る。うまくいってる時は「この先どう終わるか」を考える。苦しい時と順調な時で、見るべき方向がちがうってことだよね。
天薄我以福、吾厚吾德以迓之。天勞我以形、吾逸吾心以補之。 「天薄く我が福ならば、吾れ吾が徳を厚くして以て之を迓う。天労せしむ我が形ならば、吾れ吾が心を逸にして以て之を補う。」
ひめか:つまり、運に恵まれないなら、その分だけ人柄を磨いて迎え撃つ。体を酷使させられるなら、心をゆったり保って埋め合わせる。持ってないものを嘆くより、持ってる側を厚くしようって話だよね。
徑路窄處、留一步與人行。滋味濃的、減三分讓人嗜。 「路の径き処は、一歩を留めて人の行くに与えよ。滋味の濃やかなるは、三分を減じて人の嗜むに譲れ。」
ひめか:つまり、道が狭いところでは一歩ゆずって人を通す。おいしいものは、少し減らして人に分ける。この小さな譲りが、いちばん平和に生きるコツだよってこと。
地之穢者多生物、水之清者常無魚。 「地の穢るる者は多く物を生じ、水の清き者は常に魚無し。」
ひめか:つまり、汚れた土からこそ作物が育つし、澄みすぎた水には魚がすまない。潔癖すぎると、人も物も寄ってこないってこと。多少の濁りを受け入れる度量が、器の大きさなんだよね。
花看半開、酒飲微醉。此中大有佳趣。 「花は半開を看、酒は微酔に飲む。此の中に大いに佳趣を有す。」
ひめか:つまり、花は半分咲いたくらい、酒はほろ酔いくらいがいちばんいい。満開も泥酔も、その先は下るだけ。ものごとは「ちょうど手前」で味わうのが上手な楽しみ方だよね。
文章做到極處、無有他奇、只是恰好。人品做到極處、無有他異、只是本然。 「文章、極処に到れば、他の奇有ること無し、只だ是れ恰好なるのみ。人品、極処に到れば、他の異有ること無し、只だ是れ本然なるのみ。」
ひめか:つまり、文章も人柄も、極めた先にあるのは奇抜さじゃなくて「ちょうどよさ」と「自然体」。うまく見せようとするうちは、まだ途中ってことだよね。発信で背伸びしがちな人に効くやつ。
氣象要高曠、而不可疏狂。心思要縝密、而不可瑣屑。 「気象は高曠なるを要す、而れども疎狂なるべからず。心思は縝密なるを要す、而れども瑣屑なるべからず。」
ひめか:つまり、視野は広く持ちたいけど雑にはならない。考えは細かくしたいけど、こまごましすぎない。「広さ」と「細かさ」、どっちも行きすぎない加減が大事ってことだよね。
一苦一樂相磨練、練極而成福者、其福始久。 「一苦一楽相磨錬し、錬極まりて福を成す者は、其の福始めて久し。」
ひめか:つまり、苦しさと楽しさを両方くぐって、鍛えられた末に手に入れた幸せは、長く続くってこと。すんなり手に入ったものより、遠回りして得たもののほうが、簡単には崩れないんだよね。
謝事、當謝於正盛之時。居身、宜居於獨後之地。 「事を謝するは、当に正盛の時に謝すべし。身を居くは、独り後るるの地に居くを宜しとす。」
ひめか:つまり、引き際は絶頂のときに。身の置き場は、あえて一歩後ろに。落ち目になってから辞めるより、いちばんいい時にすっと引くほうが、きれいだし後腐れがないってことだよね。
面前的田地、要放得寬、使人無不平之嘆。身後的惠澤、要流得久、使人有不匱之思。 「面前の田地は放くを要す、人をして不平の嘆無からしむ。身後の恵沢は流るることを要す、人をして不匱の思有らしむ。」
ひめか:つまり、生きてるうちは心を広く持って人に不満を残さない。去った後も、恩恵が続くようにして「ありがたい」と思われる。目先だけじゃなく、長い目で人にどう残るかを考えろってことだよね。
德者事業之基。未有基不固而棟宇堅久者。 「徳は事業の基なり。未だ基の固からずして棟宇の堅久なる者有らざるなり。」
ひめか:つまり、人としての土台がしっかりしてないのに、事業だけが長続きすることはない。スキルや戦略の前に、信用される人間かどうかが基礎だよってこと。渋沢栄一の「論語と算盤」と同じ話だよね。
冷眼觀人、冷耳聽語、冷情當感、冷心思理。 「冷にして眼もて人を看、冷にして耳もて語を聴き、冷にして情もて事に当たり、冷にして心もて理を思う。」
ひめか:つまり、人を見るとき、話を聞くとき、物事に対処するとき、考えるとき、いったん熱を下げて「冷めた目」で見る。感情に飲まれてる時ほど、判断を間違えるってことだよね。
施恩者、內不見己、外不見人、則斗粟可當萬鐘之惠。 「恩を施す者は、内に己を見ず、外に人を見ざれば、則ち斗粟も万鐘の恵に当たるべし。」
ひめか:つまり、人に何かしてあげるとき、「してやった」という気持ちも「相手のため」という意識もなく、さらっとやれたら、ほんの少しの親切が大きな恵みになるってこと。恩着せがましさが、いちばん価値を下げるんだよね。
涉世淺、點染亦淺。歷事深、機械亦深。 「世を渉ること浅ければ、点染も亦浅し。事を歴ること深ければ、機械も亦深し。」
ひめか:つまり、世の中を知らないうちは、悪い染まり方も浅い。経験を積むほど、かけひきも覚えて、ずる賢くもなる。だからこそ、大人になるほど「素直さ」を意識して残したいねって話だよね。
風來疏竹、風過而竹不留聲。雁度寒潭、雁去而潭不留影。故君子、事來而心始現、事去而心隨空。 「風、疎竹に来たる、風過ぎて竹に声を留めず。雁、寒潭を度る、雁去りて潭に影を留めず。故に君子は、事来たりて心始めて現れ、事去りて心随いて空し。」
ひめか:つまり、風が竹を通り過ぎても音は残らない、雁が池を渡っても影は残らない。同じように、問題が来たら対処して、去ったら引きずらない。終わったことをいつまでも抱えないのが、心を軽く保つコツだよってこと。